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Text:北川 由依
Photo:小椋 雄太

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PROIFILE

上田 桂司
代表取締役社長。2013年12月日本レンテクト株式会社を設立。2019年12月に商号を株式会社ASNOVAに変更。くさび式足場のレンタル需要に応えるため、徹底した機材の管理基盤を作り上げた。会社設立時から目指していた上場は2022年4月に達成し、今後も事業の拡大を狙う。
井上 史弥
営業部 大阪営業所。2022年2月、ASNOVA入社。関西地区を中心にくさび式足場のレンタル・販売を行う。
栗原愛子
営業部 東京営業所。2022年3月、ASNOVA入社。関東地区を中心にくさび式足場のレンタル・販売を行う。
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合宿や「パーパス居酒屋」、さらには企業内大学も?「コミュニケーションが生まれる場」のカセツ

2013年12月に創業し、2022年4月に上場したASNOVA。現在、社員数は117人(2022年3月時点)になり、本社と営業所、機材センターを併せて全国24カ所に拠点があります。事業の拡大に伴い、経営層と社員、また社員間のコミュニケーションのあり方は変化していくことが考えられます。

組織が大きくなっても自由に意見を言い合うことのできる環境であり続けるために、どういう「場」があればいいのか?そんな問いから、今回は、代表取締役社長の上田桂司さんと入社1年目の井上史弥さん、栗原愛子さんの3名で、ASNOVAの新たな「コミュニケーションの場」を考えました。

Text:北川 由依
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上田 桂司
代表取締役社長。2013年12月日本レンテクト株式会社を設立。2019年12月に商号を株式会社ASNOVAに変更。くさび式足場のレンタル需要に応えるため、徹底した機材の管理基盤を作り上げた。会社設立時から目指していた上場は2022年4月に達成し、今後も事業の拡大を狙う。
井上 史弥
営業部 大阪営業所。2022年2月、ASNOVA入社。関西地区を中心にくさび式足場のレンタル・販売を行う。
栗原愛子
営業部 東京営業所。2022年3月、ASNOVA入社。関東地区を中心にくさび式足場のレンタル・販売を行う。
左から、代表取締役社長の上田桂司さん、井上史弥さん、栗原愛子さん

創業時と今で「ここ」が違う、社内コミュニケーション

会社の成長過程で、社員とのコミュニケーションにどのような変化を感じていますか。

上田:創業時は年商数億円、社員も本部と機材センター合わせて10名弱というスモールスタートでした。狭い雑居ビルでしたから、社員との物理的な距離は近かったです。しかし、当時は借金を背負いながら事業を立ち上げていたため、振り返ると社員のことを考える余裕はほとんどありませんでした。
今では社員が増え、機材センターや営業所も全国各地に広がったため、物理的な距離は広がっていますが、心理的な距離は現在の方が近い気がします。

近年リカレント教育や資格取得支援など、社員の成長をサポートする制度も積極的に作られています。力を入れることにしたきっかけは何かありますか?

上田:これまで数々の制度を試し、失敗もしてきました。少しずつ弊社にあった制度を見つけて形にできるようになったのはここ数年です。しかし、こうした人材制度は社員のためではなく、自分がほしいものを作ったという方が正しいです。創業当時は精神的にも金銭的にも余裕がなく、勉強したくてもできませんでした。でも、自分自身が幸せでなかったら、他者を幸せにできるはずがありませんよね。だから、「僕だったらこんな制度があったら嬉しいな」と思うものを一つずつ形にしています。
 
「毎月会社が本を買ってくれたら有難いよね」とか「仕事に必要な資格を取得するときに応援してもらえたら嬉しい」とか。そうしたところから、毎月会社が本を1冊プレゼントする「ASNOVAリベラルアーツ」や、業務に必須であるフォークリフト免許の取得費用を全額補助し、さらに40種類以上の資格取得奨励金を設定した資格取得支援制度が生まれました。

会社の未来を語り合う「パーパス居酒屋」

日頃社長と社員がコミュニケーションをとる機会はありますか?

上田:業務以外でもコミュニケーションを図りたいと思っています。その一環で、2022年から、弊社のパーパスである《「カセツ」の力で、社会に明日の場を創りだす。》について私と社員がグループで語り合う「パーパス居酒屋」を始めました。井上さんとは大阪で、栗原さんとは東京で「パーパス居酒屋」を開催し、一緒にお酒を飲みましたね。
井上:僕は2022年2月に入社で、9月に開かれた「パーパス居酒屋」で社長と初めてお話ししました。最初はメディアで見ていた社長が目の前にいらっしゃるので、とても緊張しましたが、開始10分で打ち解けました(笑)。
 
上田:パーパスについて話したのは最初だけだったよね。
 
井上:上田社長はお忙しい方なので、僕の入社動機や思いを話す時間はないのではないか、先輩方とのお話が中心なのではないかと考えていましたが、とても親身にお話を聞いてくださって。最後には気づけば恋愛相談をしていました(笑)。
 
上田:彼女の作り方まで指南したよね(笑)。でも、話をするきっかけさえ作れれば十分だと思っています。
栗原:私は2022年3月に入社後、8月の「パーパス居酒屋」で社長と初めてお会いしました。硬い方なのかと想像していましたが、対面したら物腰が柔らかくとてもお話ししやすい方で驚きました。

「話しやすさ」は仕事の相談をする時にも大切ですよね。現在の職場環境で課題を感じていることは何かありますか?

栗原:「パーパス居酒屋」以外にも、東京営業所では所長が声をかけて一緒にご飯へ行くことも多いです。先輩方が気を遣ってなんでも話しやすい環境をつくってくださっているので、仕事でわからないことも相談しやすいです。
井上:大阪営業所は所長がご飯に誘ってくれることが多いですし、時には僕がお誘いすることもあります。拠点や部署を超えて風通しの良いコミュニケーションを取らせてもらっているので、職場環境に課題は感じていません。ただ、業務面では機材センターのことをより理解する機会が増えるといいなと思っています。入社一年目ということもありますが、センターの皆さんがどのように動かれているのか把握しきれていません。
 
栗原:私も機材センターの業務に興味があります。営業はお客さまと機材センターの架け橋になる立場。機材センターのみなさんがいるから営業の仕事は成り立っているので、お客さまの要望を叶えながらも、機材センターのみなさんが仕事をしやすい動きができるようになりたいと考えています。

「コミュニケーションが生まれる場」のカセツ

今後ますます社員が増えていく中で、心理的安全性が確保された環境づくりは重要になります。立場に関係なく自由に意見やアイデアを出し合うためにはどんな「場」があればいいと思いますか?

栗原:実際に機材センターに行って、くさび式足場の組み立て体験をしてみたいです。チームでやれば達成感もありますし、機材センターのみなさんと営業担当者のコミュニケーションも促進されそうです。
 
上田:その様子をYouTubeに流すのもいいね。今考えたアイデアではないのですが、11月から新たに「KATARUVA(カタルバ)」という社員合宿を始めます。これは拠点や部署をごちゃ混ぜにした10名が会社の課題を持ち寄り、1泊2日で話し合います。例えば、営業部の課題を経理部や総務人事部の目線から解決しようとすることで、日常とは異なるアイデアが出るのではないかという仮説を立てています。社員全員が一年に一度は参加できるように年8〜9回ほど開催する予定です。
井上:「KATARUVA」、楽しみです!僕は社内報で社員の趣味を紹介するコーナーがあったら嬉しいです。好きな物事を知っていれば雑談のネタにもなりますし、共通の趣味を持つ人と繋がりやすいですよね。
 
栗原:それはいいですね。社内SNSもあれば、お互いのことをより知ることができそうです。
 
上田:まだ誰にも言ってないんですが、実は数年後に実現させたいと思い構想を練っているものがあります。それが「ASNOVA UNIVERSITY」、つまり企業内大学です。大学なので必修科目と選択科目があり、自分が学びたいことに合わせてカリキュラムを組めるようにできないだろうかと。
例えば、必修科目には足場の基礎知識やパーパスについての講義があり、選択科目は部署や役職ごとに選べるようにするとか。そして、大学だからゼミがあり、自分が興味のあるテーマを学び、さらにゼミといえばもちろんゼミ旅行があるわけです。近年、世の中的には社員旅行を嫌がる人も増えていますが、それは自分が行きたいところへ行けないから。ゼミ旅行であれば、自分が学びたいこと、行きたいところへ会社のお金で行くことができるので喜んでもらえるんじゃないかと。
 
井上:面白い!
上田:しかも、大学にはサークルや部活動がありますよね。ASNOVAには異業種からさまざまなプロが集まっています。元料理人の社員による料理教室、英語が堪能な社員による英会話教室が受けられる学び合いの仕組みはどうでしょうか。栗原さんは以前、保険の営業をしていたから、保険について学ぶサークルを立ち上げて、先生としてみんなに教えるのもありです。
 
栗原:なるほど、前職の知識や経験をASNOVAで生かすこともできるんですね。
 
井上:交流の場にもなりますし、教える人も一層知識が身につきそうです。
 
上田:あとね、「パーパス居酒屋」だけではなく「◯◯居酒屋」がもっと広がるのもありだと思います。「◯◯」に当てはめるのはなんでもよいのですが、例えばIRについて語る「IR居酒屋」とかどうだろう。IRについて話をするのは最初の数分だけでもよくて、一つのきっかけとしてコミュニケーションを図る場になったらいいなと思います。
 
井上:社長を飲みにはお誘いしづらいので、そうした名目があると助かります。
 
上田:誘われたら必ず行っていますよ。予定がない限り断ったことはないんじゃないかな。
 
井上:そうなんですね。それを聞いて安心しました(笑)。では、今度お誘いさせてもらいます!
 
上田:はい、ぜひ行きましょう。また色々な話を聞かせてください。

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